前回から漢方独自の考え方をご紹介していますが、今回は漢方で考える解剖とその症状などをご紹介します。
漢方の解剖では、体を大きく「表(ひょう)」「半表半裏(はんぴょうはんり)」「裏(り)」という、深さで3つに分類します。まずは「表」です。
表 は人体の表面に位置する部位で皮膚や筋肉のあたりを指します。表に邪(害を為す邪魔物)がある状態を表証といい、代表的な表証に風邪のひきはじめがありま す。表にある邪と身体の免疫がたたかっている状態であり、風邪のひきはじめは悪寒と発熱を伴います。悪寒が熱感よりも強い時は体を温めて発汗させる麻黄湯(まおうとう)や葛根湯(かっこんとう)などの漢方薬が用いられます。