私は2016年に摂食?嚥下(えんげ)障害看護認定看護師となり、西7階病棟(上部消化管血管外科、乳腺?内分泌外科)に勤務しています。
「摂食?嚥下障害」とは、食物を認知してから口に運び、咀嚼(そしゃく)して飲み込むまでの一連の食事行動においてなんらかの問題を抱える状態を指します。対象患者の年齢は新生児から高齢者までと幅広く、疾患も唇顎口蓋裂や筋疾患、脳卒中の後遺症や認知症、口腔癌や食道癌など多岐にわたります。摂食嚥下障害は、低栄養や脱水、誤嚥や窒息のリスクを高め、生命の危機に直結すると同時に人間にとっての活力である口から食べる楽しみを奪ってしまうことになります。
現在、私が摂食?嚥下障害認定看護師として担当しているのは、主に食道がんの周手術期の患者さんです。入院時にスクリーニングを行い、患者さん自身の嚥下レベルに合わせた嚥下調整食や栄養補助食品を提供しています。誤嚥リスクが高い場合は、言語聴覚士と連携し、飲み込みの訓練や食形態の検討をします。また、多職種カンファレンスで問題を共有し、嚥下内視鏡や嚥下造影を用いて評価します。摂食嚥下障害は少しの工夫で改善できるのですが、これまでの食習慣の見直しが必要となります。患者さん自身にその必要性を理解してもらうため、私たちも気持ちに寄り添いながら一緒に改善するように心がけています。
認定看護師となり1年目ですが、一人でも多くの患者さんがいつまでも食事を楽しめるよう、スタッフと連携して活動していきたいと考えています。また、将来的には摂食?嚥下センター外来でも認定看護師としての役割を発揮できるよう日々努力していきます。