小児看護専門看護師は、子どもたちが健やかに成長?発達できるように療養生活を支援し、他の医療スタッフと連携して水準の高い看護を提供するための知識や技術を持つ専門看護師(CNS)です。2015年12月現在、全国で166名が活躍しています。私は2014年12月に認定を受け、西11階病棟(脳神経外科?神経内科)に勤務しています。診療科名に違和感を感じるかもしれませんが、当病棟には様々な成長段階の患児が入院しています。その中でも多いのがAYA世代(Adolescent and Young Adult)と呼ばれる、小児がんと成人がんの狭間の世代(14歳~29歳)の患者さんです。この時期のがんは、未だ実情の把握が進んでいません。その上、多くが進学?就職?結婚などのライフイベントを経験する年齢でもあり、心の支援も必要とされています。思春期?若年成人がんには夢や希望を奪うような、たくさんの局面があります。診断?治療?サバイバーシップで直面する問題を、身体はもちろんのこと、心や生涯の発達までを見据え、日々の看護に取り組んでいます。こうしたトータルケアには、医療スタッフの連携?協働は欠かせません。CNSの私がスタッフ間の懸け橋になれたらと思っています。
私たちの大切な役割の一つに、患児とそのご家族のセルフケア能力を引き出すことがあげられます。低年齢の子どもにも検査や治療について説明して子どもなりの理解を促したり、入院生活の不安を和らげるように言葉をかけるなど、明るい環境づくりを心がけています。他にも、遺伝性疾患を抱えた子どもたちのケアや、若くして終末期にある患者さんのお子さんへの病状説明や心理的フォローなども行っています。
様々なケースに直面し、迷いながらも通常勤務や看護研究にやりがいを感じる充実した毎日です。これからも、子ども達の笑顔を引き出すケアを考えていきたいと思います。