新生児集中ケア認定看護師の認定を取得し、今年で2年目となります。私がこの分野で認定看護師を目指すきっかけとなったのは、NICU※1での6年間の看護を経て、限られた環境の中で、限られた考え方しかできていなかったこと、業務中心のケアになっていたこと、そして何よりも、その怠慢さに気づいていない自分がいると感じたからです。認定看護師の養育過程では、専門知識だけでなく、まず自分自身を知ること、相談や指導の場での他者との関わりなど、さまざまなことを学びました。
NICUに入院する新生児は、出生直後の不安定な時期や目まぐるしい成長をとげる時期に、両親と離れ、特殊な環境で過ごさなければなりません。新生児にとってより質の高いケアを提供するためにはどうすべきか、私たち新生児集中ケア認定看護師には、それを追求し続けていく使命があると感じています。
日本全体の出生数が減少傾向にあるにもかかわらず、低出生体重児の出生数は増加傾向にあります。当院のNICUでも、出生体重1000g以下の超低出生体重児が年間20~30名入院しています。少子社会により新生児看護がますます重要になる中、新生児集中ケア認定看護師に期待されることは、新生児の体に起こる急激な変化を予測して、体調を生理的に安定させることだと考えています。また、発達を促すための一人ひとりに合わせたケアも必要です。さらに、不安を抱えるご家族が子どもとより良い関係を築けるよう支援する「家族看護」も大切なケアの一つです。これらの役割を果たしながら、病棟全体がスキルアップできるよう、自分自身がモデルとなり、看護師の指導や相談にも力を入れていきたいです。
最近では、痛みの緩和ケアや安心して在宅移行ができる退院支援が大きな課題となっています。今後もひとつひとつのケアと出会いを大切にしながら、新生児医療が抱える課題解決にも貢献していきたいと考えています。