山芋は中国雲南省の原産で、紀元前から栽培され、日本では奈良時代までには渡来して栽培されていたようです。11月~2月の秋から冬にかけての寒い時期が一番おいしい季節になります。秋に収穫され数ヶ月貯蔵されると味が濃くなり、アクが少なくなってきます。
山芋という呼び名はヤマノイモ科ヤマノイモ属の“山芋”、“自然薯(じねんじょ)”、“大薯(だいしょ)”の総称で、実に600種ほどがあります。市場で出回る7割近くを占めるのが“長芋”で、他の山芋に比べて水分が多く、粘りが少ないのが特徴です。自然薯は日本の山野に自生する天然もので、細長く、くねくねと曲がっており、非常に粘りが強く風味も豊かです。大薯は球形をしており、大きいもので40kg以上になるものもあります。
山芋は芋類の中で、唯一加熱せずに食べられます。主成分は炭水化物で、でんぷんや多糖類のマンナンも含まれます。また、アミラーゼなどの消化酵素は大根の約3倍含まれており、でんぷんの消化吸収を助け、胃腸の働きを活発にしてくれるので、疲労回復や虚弱体質の改善が期待できます。昔から、胃腸が疲れたときに山芋をおろして食べるとお腹を休ませていいと言われていますが、山芋の持つ消化吸収の良さを昔の人は生活の知恵として持っていたようです。
美味しいやまいもを選ぶポイントは、皮が張っていて傷がないもの、割れ目のないものです。風通しの良い、温度が一定の場所や冷暗所で保存しておけば3~4か月の保存が可能です。
食べ物が美味しいこの季節、山芋料理で食べすぎた胃腸を休ませてあげても良いですね。