東日本大震災をきっかけに東北メディカル?メガバンク事業を通して、宮城県の登録者12万人の震災によるメンタルヘルスへの影響の評価や支援に携わりました。また、宮城県七ヶ浜町には発災直後から心のケアチームとして避難所、仮説住宅、災害公営住宅を10年に渡って巡回し、茶話会を開いたり、町報へのコラム掲載、年次調査を行なってきました。得られた知見は、論文、学会や国連、WHO等の災害関連の対策会議で公に発信しているほか、熊本地震やネパール地震等、国内外の災害後の被災地域との交流、情報提供を行なっています。
これらの経験を経て、災害後や平常でも、地域のメンタルヘルスの実態をアセスメントによって把握し、現状を見渡した上でプライオリティの高い課題を見いだして取り組み、一定の取り組みの後に再度アセスメントを行い、効果と時間経過後の現状を把握した上で次の方針を定めるという形で精神保健を推進することは可能であり、そうすることが望ましいと考えるようになりました。新型コロナウイルス感染症流行下、その必要性はますます痛感されるところで、困難な課題は多いですが、できる限り実現していけると良いと考えて取り組んでいます。