広報室スタッフが院内の”いろいろ”をレポートする「広報室レポ」。
院内の気になるアレやコレを徹底レポートいたします!
第2回目は、11月19日に開催した世界糖尿病デー院内イベント「血糖値測定」をご紹介します。
11月14日の「世界糖尿病デー」にちなんで、当院看護師による血糖値測定と、栄養士へ食事の相談ができるというもの。患者さまやご家族の方、面会の方、職員まで、どなたでも参加が可能なうえ、すべて無料のイベント!
主催しているのは、2003年に発足した当院糖尿病療養指導士会。生活習慣病として増え続けている糖尿病に関心を持ってもらい、相談や意見交換の場をつくりたい、受診のきっかけにしてもらえたら、という思いを込めて2007年から毎年開催しています。
私もイベントに参加し、血糖値を測定してきました!
場所は、外来棟1Fの「けんこう情報館」。
入り口には世界糖尿病デーのブルーサークルが描かれたポスターが貼られています。
受付では、世界糖尿病デーのパンフレットとチラシなどが配布されています。
希望する方は尿糖検査キット(市販のサンプル)ももらえます。
中に入ると、血糖値を測定するブースと、栄養相談のブースに分かれています。
さっそく、測定ブースに着席してみます。
ここでは、看護師さんから検査についての説明を受けます。
テーブルの上には測定に使う検査用具がたくさん並んでいます。
そして、こちらが今回使用するもの。
それでは、実際に血糖値の測定をお願いします!
まず、指の先を針で刺し、血液を出します。採血するのは中指の先です。
必要な血液の量は、指の先にぽつりと浮かぶくらい。ほんの少しの量で測れるんですね。
少し緊張していましたが、担当の看護師さんが、採血後の絆創膏をやわらかく押さえてくれたので、ほっと緊張もやわらぎました…。
採血部位は手のひらや手の側面など、どこでもいいのですが、身体の末端の方が好ましいそう。末端まで行き渡っている血液、つまり、全身をくまなく巡っている血液が検査には理想的なんだそうです。
血液を機械の先につけると、なんと…5秒で測定が完了します!はやい!
取材ということで、特別に2種類の測定器で計測してもらいました。器械によって少し数値は違うようですが、ほぼ同じでした。
採血から結果が分かるまで、わずか数秒!こんな短時間で測定ができるんですね。
検査結果が出たら、検査シートに数値を記入してもらい、結果を元に日常生活での注意事項などについて説明してもらいます。
私のこのときの数値は95mg/dl。「正常値ですね」の声に、ひと安心。
では、正常値、異常値って、どんな基準で分かれているんでしょう?
次のように結果をみるそうです。
血糖値 | 正常値 | 境界型 | 糖尿病型 |
空腹時血糖 | 110㎎/dL未満 | 110~126mg/dL未満 | 126mg以上 |
食後血糖値 | 140㎎/dL未満 | 140~200mg/dL未満 | 200mg以上 |
空腹時血糖??なんだか聞き慣れない言葉が…
空腹時とそうでないときでは、いったい何が違うのでしょうか?
血糖について看護師の和泉さんに説明していただきました。
血糖とは、血液中に含まれているブドウ糖のことです。
血糖の検査は、代表的な高血糖の疾患である糖尿病の有無が分かるだけでなく、その治療や管理の指標になります。血糖値を測定する時間は、空腹時よりも食後2時間が適しています。それは、食後の血糖の変化で分かることがあるためです。食事をすると一時的に血糖が上昇します。健康な人は食後2時間もすれば血糖値が140mg/dLに低下しますが、血糖値が低下せず140mg/dL以上の高い値が続く状態を「食後高血糖」といいます。
食後高血糖は、重大な合併症が発症する危険性(リスク)を上昇させるといわれています。糖尿病を発症した早期の段階では、空腹時血糖値が正常域であっても「食後高血糖」糖尿病が見られます。
…なるほど、一番重要である食後高血糖の有無が分かるため、食後2時間の測定が理想なのですね。
食後2時間となると、自分の普段の数値を知るには、血圧のように日頃からの測定が大切になりそうですが、定期的な測定が必要な方のために、自分で血糖値を測れるセットも市販されています。
当院では、インスリン療法を導入された患者さまへは機器の貸与と試験紙の処方をしています。
当日の対応をしたのは、糖尿病療養指導士の資格を持つ、看護師と栄養士および薬剤師の14名(当院スタッフのみの人数)。今年は10:00?14:00の4時間の開催で、参加者は約300人を超える大盛況!
参加者からは、「話を聞いてとても参考になった。」「ちょっとした時間をさいても自分の健康を知ることの大切さを痛感した。継続がいかに大切か分かり、自分なりに気を付けてみようと思う。」
などの声が寄せられたとか。
イベントを通して、糖尿病について考える機会になったようですね。効果絶大です。
血糖値の測定がこんなに簡単に、しかも短時間で測定できることが分かった今回のレポート。
自分の健康に関わるたくさんの気づきがありました。
来年のイベントも、ぜひみなさまに気軽に参加していただきたいです。
血糖値、糖尿病、自分の体の状態が健康かどうか、まずは積極的に関心をもつことが大事ですね。
レポート:広報室