お知らせ
第13回 東北大学病院 市民公開講座を開催しました
11月7日(土)、第13回東北大学病院市民公開講座を開催しました。
前回に引き続き、今回も百周年を記念して「わたしが守る大切な人 -胸骨圧迫、AED、そして救命の連鎖-」と題し、救命救急の現状や心肺蘇生法を紹介しました。また今回は特別に、参加者全員に、胸骨圧迫とAEDによる心肺蘇生を体験していただきました。約120名の市民にご来場いただき、講演と実技体験を行った会場はほぼ満員となりました。足をお運びくださった皆さま、ありがとうございました。
第一部の基調講演では、当院で救急科専門医として診療にあたっている東北大学大学院医学系研究科 総合地域医療研修センターの遠藤智之講師が、「押して、押して、押して!?勇気と助け合いの気持ちで命のリレーをつなごう?」と題し、クイズや動画を交えながら正しい心肺蘇生法について説明しました。「命のリレーを繋ぐ」ためには、倒れてから救急隊が到着するまでの市民の皆さんの救命処置が不可欠であることを強く訴えました。
また、講演の最後には仙台市のスマートフォン用アプリケーション「救命ナビアプリ」を紹介。応急手当の学習やAEDの設置場所検索ができ、いざという時に一連の応急手当の流れをナビゲートしてくれるこのアプリを、ぜひ活用して欲しいと話しました。
救命ナビアプリ: www.sendai119.jp/#appli
続いて、第二部の記念講演では、救命救急士で小中高校で心肺蘇生法の指導を行っている、国士舘大学体育学部 スポーツ医科学科の高橋宏幸助教より「院外心停止救命率改善に向けた社会の取り組み」と題したご講演を頂きました。訓練を受けた一般市民が除細動を行うPAD(パブリック?アクセス除細動)と、それを行えるシステム整備の重要性をお話頂いたほか、学校での死亡事故件数や、「心臓震盪」に対しAEDを使って直ちに心肺蘇生が施されて社会復帰できたケースをご紹介頂きました。
また、正しい心肺蘇生法が一般に広く普及するよう、子どもの理解度に合わせた内容の心肺蘇生を指導する取り組みを行っており、詳しくは日本臨床救急医学会ホームページの学校での心肺蘇生法教育「いのちの教育」を参照して欲しいと、ご紹介いただきました。
第三部は、参加者全員が行う胸骨圧迫とAEDの実技体験。まずは心肺蘇生トレーニングキット「あっぱくん」を使った胸骨圧迫を練習していただきました。「あっぱくん」から出る音で圧迫の深さ、メトロノームの音で適切な速さを確認しながら行います。次に、4?5名のグループに分かれ、実際の救命処置の流れに沿ってAEDを使い、救急隊員に引き継ぐまでの手順を体験していただきました。参加者は、119番通報やAEDの要請など、居合わせた人と役割分担をし、胸骨圧迫を交代しながら行うなど、いざという時に適切な処置を施せるよう、真剣に繰り返し練習をしていました。
最後に質疑応答では、参加者よりいただいた、様々な場面を想定した質問に対し、どう対処すべきかわかりやすく答えるとともに、はっきりとした正解がない難しいケースのについては「迷ったら119番に連絡し指示を受けてほしい」と伝えました。
次回、第14回市民公開講座は2016年6月25日(土)、仙台国際センター大ホールにて、「安全に食べるために、摂食嚥下障害への取り組み(予定)」と題し開催します。次回もぜひお越し下さい。