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左心不全に伴う肺高血圧症の発症メカニズムを解明 – 新規の心不全治療薬候補の同定 –
2018.07.10
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東北大学大学院医学系研究科循環器内科学分野の下川宏明教授(当院循環器内科科長)、佐藤公雄准教授、砂村慎一郎医師の研究グループは、左心不全に伴う肺高血圧症発症における分子メカニズムを解明しました。類似した2つのRho-kinase(ROCK1とROCK2)のそれぞれの遺伝子破壊マウス(ノックアウトマウス)を用いた解析により、心不全の進展において心筋細胞のROCK1とROCK2が異なる役割を担っていることを発見しました。また、Rho-kinaseの下流でCyPAが酸化ストレスを増幅することにより、左心不全に伴う肺高血圧症の発症に深く関わっていることを解明しました。さらに、CyPAを標的とした新規心不全治療薬の探索を行い、生薬の成分であるセラストロールを同定しました。
本研究は、心不全患者の予後に影響する重要な因子である肺高血圧症の分子メカニズムの解明した重要な報告です。また、心不全治療効果のある低分子化合物を同定したことから、今後、臨床応用につながることが期待されます。
本研究成果は、7月9日午後3時(米国東部時間、日本時間7月10日午前4時)に米国科学アカデミー(National Academy of Sciences, NAS)の学会誌であるProceedings of the National Academy of Sciences of the USA, PNAS 誌(電子版)に掲載されました。
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